起業する場合や新しいサービスをスタートさせる場合など、用意すべきものは様々ですが、その中でも重要な位置を占めるのがロゴです。これは、一度作ってしまうと簡単に作り直せるものではありません。それゆえに大切なものですし、慎重に時間を費やして検討すべきものでしょう。ただ、名刺など実際に使用する現物と比べると、わざわざ作らずとも社名や新たなサービス名をタイピングするだけでも事足りるのではと考えがちな一面もあります。
ただし、多くの大企業がロゴデザインを一新する際には、多額の費用と多くの時間を費やしてリニューアルすることはよく知られた事実です。そういったことを考えると、ロゴはそれだけ大切なものであることが察せられるはずです。ロゴデザインを制作することには、どんなメリットがあるのかを知ることで、起業する場合や新しいサービスをスタートさせる場合における、その重要性を知ることができます。
まず第一のメリットとして、「企業の第一印象となる」という点があります。人間同士であっても第一印象がかなりものを言う状況にあって、企業の第一印象とは何かと考えると、名刺交換で渡される名刺も第一印象のひとつと言えるでしょう。
そしてその名刺において、簡単にタイピングされた社名が入っている名刺を渡された場合と、ロゴデザインが入っている名刺を渡された場合、どちらが印象に残るかを考えると、後者の方が印象に強く残ることは確実です。しっかりと考えられたと見えるロゴデザインは、企業の第一印象をプラスに印象づけるだけでなく、信頼度のアップにもつながります。企業や新たなサービスがスタートしたばかりの場合、プラスの印象と信頼度は特に役立つことでしょう。
また第二のメリットとして、「自社を覚えてもらえる」という点があります。実際、私たちが何か商品やサービスを選択する際、ロゴが目に入ることで、「あ、あの会社の商品(またはサービス)なのか」と企業を思い出すというシチュエーションは少なくありません。
そして、それによってブランドイメージが連想され、商品やサービスを決定する要因になることも多くあります。会社名を覚えてもらうだけならわざわざ作る必要はありませんが、ロゴとブランドイメージが結びつくことで、自社を覚えてもらうことができ、さらに商品やサービスを選択してもらえる機会が増えることを考えると、その重要性が分かります。
さらに第三のメリットとして、「他社との差別化が計れる」という点があります。同業他社との差別化というのは難しいテーマです。色々な方法がありますが、オリジナリティがあり、クオリティの高いロゴデザインをしっかり作り込むことで、他社との差別化を計ることができます。
これは、2つ目のメリットとしてあげた「自社を覚えてもらえる」ということにもつながる話ですが、他の同業他社と同じような会社と見られることなく、選んでもらえる企業としての立場を確立する手助けとなります。
最後に第四のメリットとして、「社内のモチベーションも上がる」という点があります。これまで上げてきたメリットは、対企業、対お客様、という外側に向けたものでしたが、社員のモチベーションが上がるという内側に向けたメリットも大切な点です。
起業した場合や新しいサービスをスタートさせた場合など、真新しいロゴデザインがあることで、これから新しい事業やサービスをみんなで協力してやっていこう、成功させよう、というモチベーションのアップにつながります。
また、共通の目標を持った社員同士が、ロゴの入った名刺を手にしたり、ユニフォームを着たりすることで、結束が強くなり帰属意識が生まれることになります。同じ方向を向いて進んでいくという思いの共有と方向性を示すという点でも、メリットがあると言えます。すでに存在しているロゴデザインの制作例を見てみるのも面白いですよ。
ここまで述べてきたメリットというのは、ブランディング効果と言えます。ブランディングという言葉だけ聞くとどんなことなのか、何から初めていいのか分からない、漠然したものに聞こえますが、ロゴは強いブランディング効果を持っています。自分たちの企業を象徴するものであり、外側からも内側からもプラスの変化が期待できるものです。それゆえに、新しい事業やサービスを始める際には必要不可欠なものであり、また変更を行う際にも費用と時間をかける価値のあるものと言えます。そのため、オリジナリティがあり、クオリティの高いものを準備する必要性があります。
ただし、新しく製作するにせよ、変更するにせよ、モダンであることやスタイリッシュであることなど、見た目だけにこだわってしまうと、それこそ企業のブランディング戦略とかけ離れてしまう可能性が高くなります。デザインを依頼する際には、ブランディング戦略とデザインが一致するものを制作するために、デザイナーにデザイン戦略をしっかりと伝えるための打ち合わせを行うことが大切になるでしょう。
世の中には、多種多様な店舗があり様々なデザインの看板を見かけます。そのどれもがそれぞれ工夫を凝らしたデザインのロゴとなっています。
私達が何気に見ている店舗のロゴには、その一つ一つに大きな意味と重要性が隠されているのをご存知でしょうか?このロゴ一つで、その店の今後が左右されることもあるため、決しておろそかにしてはなりません。では、店のロゴには一体どのような重要な役割が隠されているのでしょうか?
ロゴマークとは、ただ単に店名を紹介するだけのマークではなく、デザインはもちろん、店舗の事業コンセプト、店舗の発展に貢献できるよう活用するものでなければなりません。そのため、ロゴマークを考えるデザイナーたちは、CI・VI・BIを考えてロゴマークをデザインしていきます。
CIとは、Corporate Identity=コーポレートアイデンティティの略で、企業や店舗が持っている抽象的なイメージや企業理念などを総括して、印象として表すことを指します。ロゴマークで言うと、そのデザインが企業のイメージとなり全体を表現するということになります。そのため、ロゴを見るだけでその店舗をイメージすることができるので、デザインを決める際には、形だけでなくバランスや配色などにも気を遣う必要があります。
VIとは、Visual Identity=ビジュアルアイデンティティの略で、店舗の主力商品などのイメージからロゴマークやイメージを考えていくことを指します。海外の高級ブランドを扱う企業ではこのVIを多く取り入れている場合があります。ブランドが企業のように思われている場合には、このVIとCIの差はほとんどないと考えられます。
BIとは、Brand Identity=ブランドアイデンティティの略で、見た目からイメージを表現していくCIやVIとは異なり、その店舗の個性や特徴を明確して、そこから価値を見出してブランディングしていくことを指します。従って、CIやVIのイメージをより明確にして、価値あるロゴマークを作っていくことです。この方法を多く採用しているのがアパレル企業で、洋服や小物にそのロゴが入るだけでその商品の価値が変わってきます。そのため、商品の価値をより高める効果の得られるデザイン・大きさ・配色にしなければなりません。
成功を収めている大企業や高級ブランドなどのロゴマークを見てみると、意外にどれもシンプルなデザインのものが多いのに気が付きます。ですが、シンプルさゆえにデザインの中にCI・VI・BIを組み込むのは難しいことなのです。しかし、成功している企業のロゴマークには、そのシンプルなデザインの中に明確な経営理念やイメージなどをしっかりと組み込んでいるものばかりです。
さらに、同業者どの差別化も図らなくてはならないため、オリジナリティあふれるもので企業の存在感をアピールしています。
では、企業や店舗のロゴマークはどのように作成されていくのでしょうか?
ロゴマークを作成するためには、まずはその企業や店舗の周辺要素や関連情報を十分に把握する必要があります。そして、戦略的にロゴマークを使用していくCI方法では、ロゴを作成した後にそれを今後どのように使用していくのか、きちんと明確にしておく必要があります。その有効手段としてマニュアルを作成して徹底しておくことです。もし、マニュアル化せずに使用してしまうと、ロゴの配色や大きさ、比率などを、その用途に応じて好き勝手に変更されてしまう可能性があり、これではCI方式に反してしまうことになります。
例えば、コンビニエンスストアのロゴマークなどは、そのカラーで私達はコンビニの種類を認識している傾向にあります。しかし、このカラーがオリジナルと変わってしまうと、どこのコンビニエンスストアなのか分からなくなり、結果そのコンビニの認識が薄れてしまうこととなります。
また、購入ブランドのロゴを好き勝手に様々な広告やパンフレットなどに使用すると、VI方式を採用するショップが多いブランド業界では、そのロゴの価値ばかりでなくショップ自体の価値をも下げてしまうことにもなります。
こうしたことから、ロゴマークのカラー・大きさ・バランス・背景などは、明確な基準に基づき厳格に決めておくことが重要で、使用する場所やパンフレット、Webサイト、名刺などに規定するべきです。
店舗のロゴマークにおいては、デザインの出来により今後のショップの経営が左右されることもあるため、決しておろそかにしてはなりません。最も重視すべきことは、その企業の経営理念をしっかりと持ち、そのイメージに則ったコンセプトを考案していくことです。そしてCI・VI・BIを上手く利用してブランディングしていくことです。カラーだけに頼るデザインではなく、そのロゴにきちんとした意味を持つものとし、そこにカラーを付け加えるイメージが良いでしょう。
企業がロゴデザインを持つことの意義とは、企業の象徴が決まるということになります。企業のイメージがこれで決まることになることを意味します。ブランドが決まることになるともいえるでしょう。企業ロゴはいわば旗のようなものです。それがあることで企業もあるという一蓮托生のようなものが出来たということになります。それだけ企業ロゴというものは重要なものだということがいえるでしょう。
今では企業ロゴは商標登録されるほどのものにもなっています。それがあることで企業の信用や信頼、誇りや実績というものがそこに詰め込まれることになります。商品にロゴが入れば、それはその企業のブランドの全てが入っているということを意味するようになります。だからこそ、そこに価値を見出してブランドの商品が高値で売買されるようにもなるわけです。ロゴは企業の象徴であり、信用や信頼の証というものともなるわけです。
ただ、これは企業がうまくいっているときのことでもあります。失敗をしたり、評価を落とすようなことをすれば、それもすぐにロゴに返ってきて、値打のないものともなりかねません。ロゴの価値というのはそれだけ可変的に動くものだともいえます。一つの不祥事であっというまに、その価値が変わってしまうものだともいえるでしょう。
ほとんどの有名な企業は例外なく企業ロゴを持っているといえるでしょう。それによって顧客に認知してもらえるようになるからです。これがなければ、どこの会社の商品なのかということがわかりません。ですから、このマークは自社の商品だということを表すものとなると同時に自社の責任をも背負っているということになります。このマークがあることで、その商品に関係することの一切を背負うということになるのです。ですから、いい商品を作ればブランドとしての価値があがり、そうでなければ落ちるということになるのです。
会社において初期の段階では、企業ロゴは自社を宣伝する広告の意味合いも多く含まれることになります。世間的に認知されていない場合では会社を覚えてもらうという意味合いがこのマークには含まれることにもなります。
それが会社が大きくなって、世間的に認知をされるようになると今度は広告の意味合いは薄れてブランドとしての魅力が出てくることになります。そのマークの商品を持っていることを人が誇らしく思うようになったりするのです。一種のステータスシンボルともなりえるものとなります。こうなると、その会社というものが世間的に認知され、大きな評価を得ていることになったといえるでしょう。こうなると特に宣伝をする必要はなくなるわけですが、そのマークが入っていなければ買いたくないという人が多くなっています。逆にいえば、そのマークがあることで商品を信頼し、安心して商品を買えるようになるという状態になります。このマークが品質をあらわるものともなったわけです。
ただ、この企業ロゴは時代とともに変えることもよくあります。時代によってはあまりよくないと考えられたり、もっとデザイン性をよくしたりするということもよくあります。創業者に関係したマークが使われていたりすると、代替わりがあったりするとこのマークも変えようともなりますし、買収などでも変わることはあります。それでも世間から認知されていて、愛されているようなケースではなかなか変えられないというケースもあります。いわゆる市民権のようなものを得てしまっている時には、その価値を重視して変えないケースも少なくはありません。それぐらい世間に浸透しているものというものはあるのです。
企業が誕生して、いろいろな生産活動をするようになり、人々の暮らしの中で企業の商品がどんどんと流通するようになって、人々が商品に対しても愛着を感じたりするようになり、信頼できる商品に対しては、そのロゴマークに関しても愛着を感じたりするようになってきました。ですから、そのマークは企業の生産活動の歴史をも示しているのですが、商品の購入者にとっては自分の歴史も感じられるものでもあるのです。あの時はこんな商品を使っていた、この時はこの商品が好きだったというようなことを、そのマークを見れば思い出せるものとなっているのです。ですから、そのマークには大きな価値があり人によっては大金を払ってでもそのマークのある商品を買いたい、使いたいというような気持にさせるものとなっているのです。
マークの絵柄ととてもシンプルでそんな凝ったものではないものではありますが、人によってはいろいろな歴史を思いだしたり出来る大事なものとなります。ですから、このマークは企業にとってはシンボルであり、個人にとっては思い出ともなる大切なマークともなるものといえます。だからこそ、企業はこれを大切にしますし、個人もこれを大切に思っていきます。そして、その思い年月が経つほど重いものとなるといえるでしょう。
ブランドロゴは大抵簡単な文字列でアルファベットであったり、漢字、ひらがな、カタカナであったり多様です。その短い文字列がその組織内でとても大きな役割を担っていることを考える人はあまりいないのかもしれませんが、たまに見慣れた文字がいつもと違うと気づいたりするととても変な感じがするものです。
日本のブランド名は世界中で有名なので自動車であれ、電気機器であれ、スポーツ用品であれそれぞれアルファベットのロゴが一般的になりつつあるのかもしれません。日本製品はそれだけ海外で重宝され、一般化しているのです。そのために広報はどんな努力をするのでしょうか。その一つがロゴマークです。人に覚えられ、愛される商品のロゴマークは、どんな苦労がバックグラウンドにあるのか…ロゴは成功の立役者の1人と言えます。
組織が大きければ大きいほど、商品・ブランドにとってロゴマークは一般で考えられるよりとても重要な存在です。多くの商品・ブランドは考え抜いた上で作られるのでその会社やブランドにとっては顔といっても過言ではありません。そのため、文字を表すフォントも工夫がなされ、ライセンス、トレードマークとして簡単にはコピー出来ないように微妙な工夫が施されています。一見すると一般的なフォントに見えますが、縦に細長だったり、文字が少し太めだったり、それぞれ微妙な特徴があり、それがロゴの雰囲気を醸し出すのです。そのためその大手の会社やブランドはフォントが社外に簡単に漏れないように、外注先など一定の範囲でしか使われないように契約を交わしたりし、悪用されたりしない努力をします。
大手の会社では自社特有のフォントで社内文書を発行することも多々あります。自社意識に訴えかける為とも、考えられますが、文字のフォント、ブランドロゴを社員が意識して大切にする愛社精神が社のモチベーションを高め生産の成長を促す不可欠要素ともなります。それだけ関係者に与える影響が大きいのです。
自社製品を誇りにそのイメージを大切にするように、社員として恥じない行いをするように新入社員はそれに恥じない働きをするよう教育され、会社人になるのでしょう。そうでなければ、消費者からの絶対的な信頼は得られないと考えるからです。社の一員であること、それを誇りを持つということは、団結力を高め、社の向上のため努力しようと社員を引きつけるランドマークと言えます。
一例として、ブランドのまがい物の判定などにもフォントの微妙な違いが使用されます。ブランドのバックや小物に使われているアルファベットが本物と違うのは見る人が見れば歴然です。そのようなコピー品を作ったり売ったりするのは違法行為で、日本では固く取り締まられていますが、海外からの流入があるのも事実です。
コピーの標的になりやすいブランドはフォントを変えたり、デザインを変えたり工夫します。コピー品を作る会社は商品の質だけでなく、被雇用者の労働条件が劣悪だったり、子どもの労働者を使ったりしてコストを低く抑えるので感心出来ません。粗悪な材料を使って作るコピー品であるだけでなく、その犠牲になる人たちがいることも忘れてはなりません。コピー品を製造、販売することは様々な意味で卑劣な行為なので、消費者として気をつけたいものです。
仮にある企業がよいイメージのうちはブランドロゴはポジティブな印象ですが、ブランド名が落ち目になったり、経営方針を変え再出発する際など、多々ブランドロゴを変えたりすることがあります。一般の人から見ると、まるで別な会社、ブランドになったような錯覚を起こす効果が非常に大きいので、ある意味簡単には出来ません。おそらく人の認識に訴える力が弱くなるリスクを伴う事業です。それで離れてしまう消費者も多々いるかもしれません。しかしイメージを一新させる効果が大きい為、汚名返上するツールにもなり得ます。
しかしながら、それでイメージを一新しても利益さえ上がればよいのでしょうか。
ブランドイメージが問題になる世の中、その会社がどのような経営方針を持っているのか消費者として関心を持つべきでしょう。発展途上国の労働者を劣悪な環境で、長時間低賃金で働かせ、利益を得ている会社がある傍ら、フェアトレードを心がけ消費者が安心して使える製品を作る事を積極的に働きかける会社もあります。発展途上国の最低賃金の上昇に一躍買ったり、環境にやさしい商品の開発など、イメージアップにつながる努力はそのようなことにこそ費やされるべきではないでしょうか。コマーシャルにつぎ込まれる膨大な資金をそのような労働条件の向上にあて、イメージを改善することにより、より一層利益が上がればこれに勝ることはありません。
それにともなうブランドのイメージこそロゴに恥じない企業の姿勢と言えます。人の信頼を見かけでごまかすことなく、真摯な姿勢を見せてこその成功であって欲しいものです。
企業のロゴには、見る人にその企業を印象付け、認識してもらうと言う役割があります。そのため、取り扱う商品や事業内容、基本理念などを意識したデザインとなります。当然、一目で認識でき、デザイン的にも扱いやすいものであることが求められるため、文字によってその情報を盛り込むわけにはいきません。そこで、重要な要素となるのが、その色です。色には見た人に色ごとに異なったイメージを与え、その色をしたものに対しての行動や印象に影響を与えます。一目で企業や商品を理解してもらい、意図とした印象を持ってもらうためにも、この色彩心理学はロゴ作成において積極的に利用されているのです。次に、いくつかの色の人に与えるイメージについてご紹介します。
赤は視認しやすく、遠くからでも目立ち、また印象に残りやすいので、ロゴデザインに多用される色です。活力や情熱などを連想させる色で、エネルギッシュなイメージを与えます。そのため、航空会社や旅行代理店などの活動的な業種などのロゴマークに用いられます。同時に赤色は交感神経を刺激し、体温の上昇や食欲など生命力に関する欲求を強める効果があるとされます。このことから、飲食業や食品のロゴに使われることも多い色です。
オレンジ色は太陽の色、たき火や灯火の色でもあることから、暖かい印象を与えます。その他にも、安心感を与え、不安などを抑えるとされているので、親しみやすい色としても知られています。そのため、自社の製品やサービスを身近なものとして感じて欲しい企業のロゴなどに採用されています。外交的な印象を与える色でもあるため、通信手段やコミュニケーションツールを扱う企業ロゴに、オレンジ色は多く見られます。
黄色は左脳を刺激する色とされ、判断力や理解力を高め、注意を促す色です。そのため、目視した時間が短くても印象に残りやすく、ゆっくりとロゴマークを見る時間がない自動車などで移動している人が見ることが想定される場所で使われます。運送業やガソリンスタンドなどの自動車に関わる業種のロゴなどが、その具体例です。また、脳の活性化により、楽しい感情を引き出す効果もあるとされているので、にぎやかで楽しい印象を与えたい企業ロゴにも使われます。
緑色は中間色であるため、刺激が少なく、見る人に落ち着いた印象や安らぎを与えます。そのような印象を与えることから、癒しの空間を演出したい喫茶店などの飲食店ロゴや、マッサージ店などで頻繁に使われる色です。また、緑は自然の草木の色でもあるため、成長や健康を連想させます。このことから、健康食品や薬、医療や福祉関連のロゴなどでも多用されます。
青色は、先ほどの赤色が交感神経を刺激するのに対し、見ることにより副交感神経が刺激されます。これにより、見た人は脈拍や呼吸数が低下し、落ち着きのある冷静な状態になります。そのため、知的で冷静沈着な印象を与えたい企業や研究機関のロゴデザインで採用されます。加えて、落ち着いて判断ができ、空や水を連想させることからクリアな印象を与えるため、信頼をイメージさせる色でもあります。
紫色は、青色と赤色の対象的な要素を併せ持った色です。その絶妙なバランスの上に成り立つ色であることから、古代により神秘的な色として扱われてきました。そこから、現代では高級感や上品さと言った印象が加わっています。この色のロゴデザインを使用する商品や企業は、コスメやファッションブランドなどの高級なイメージがマイナスにならず、美意識の高い印象を与えたい業種が多いです。
黒色は、先の紫色と共に高級感を持つ色として知られています。しかし、紫色にと異なるのは、光を吸収する無彩の色であり、また他の色と混合した結果は黒に行きつくと言う点です。このようなことから、黒を用いたロゴデザインには他者に流されることのない、強さや威厳のある印象を見る人に与えます。そのため、伝統のある企業や業界の中でも影響力がある企業が、そのことを示すために黒いロゴマーク使用することがあります。また、自然を連想させる緑色とは対照的に、黒色には都会的なイメージがあります。そのため、最新の技術やハイテク機器を扱う企業にも使われます。黒色は単独で使用されるケースだけでなく、他の色と合わせて使われることが多い色です。これは、黒色に周囲の色を目立たせ、引き締める効果があるためです。これにより、その色を強調し、その色が与える印象を強める効果があります。
上記のように、色にはそれぞれ異なったイメージや心身に与える影響があるため、状況やニーズによって使い分けられます。伝えたいことは多いのにも関わらず、文章によってあまり多くの情報を盛り込むことができないロゴにおいて、色が持つイメージや影響を利用するというのは、効果的な手段の一つです。そのため、どのような色をどのように用いるのかは、デザインの中でも非常に重要であると言えます。普段、その商品やサービス機会がなくとも、ロゴは見たことがある、という状況も多くあります。そういった場合でも、企業や商品に関するイメージや情報を与えることができるので、ロゴは企業や商品の「顔」ともいえるのです。