現在10代のほとんどの若者たちはモバイルからネットへアクセスしていると言えます。これは日本だけでなく、世界的にです。モバイルは画面が小さく、画像はシンプルで分かりやすいものが求められます。流行は常に若者が先導することを考えると、これらの現象は無視できません。つまり、ロゴデザインが自然とシンプル傾向になることは自然なことであると言えます。
iphoneやアップルウォッチなどのデバイスの普及がますます後押しをするでしょう。現在の世の中のテーマは「コンパクト」「シンプル」と言えるのではないでしょうか。最新型のテレビは驚くように薄く、場所を取りませんし、小型車も増えています。つまり、それらに合わせてインターフェースやロゴを始めとしたデザインがシンプル・コンパクト化していくのです。
「クラウド」という言葉は10年前は「雲」を示しましたが、恐らく10代の若者たちはクラウドを「データストレージ」と理解するでしょう。スマートフォンでウェブサイトを閲覧する時に、上部に表れる三つのライン(ハンバーガーアイコン)も、ハンバーガーとは無関係です。
世界はどんどん単純化し、共通化しています。これらは言語のコミュニケーションを壁を超えて、共通認識が持てるという点で優れています。そして、よりこうしたマークに依存することになるでしょう。ある意味では、古代エジプト人の用いた象形文字です。
急速に広がる世の中の「アイコン化」に共通する点は一体なんなのでしょうか。それは、一本のシンプルな線で描かれたデザイン、という点です。これらのデザインやロゴは、シンプルで印刷しても視認性が高く、デザインの大小に関わらず、一貫した見やすさを備えています。そのため、世界的に支持を得ていると言えるでしょう。このシンプルなラインを用いたロゴデザインは今後10年は、流行となると言えそうです。
また、前述したモバイルデバイスの普及は、ロゴデザインに別の角度からも影響を与えました。PinterestやInstagramなどの視覚に訴えかける掲示板のようなサービスの台頭により、創造性のあるもの・デザイン性の高いものに触れる機会が増え、デザインに興味を持つ人が増えたことです。
それにより、デザインの専門性は薄れ、デザイナーを名乗る人も増えました。しかし、素人デザイナーは見た目だけに囚われがちで、ロゴデザインを魅せるために必要な技術を学ばないことも多々あります。経験のあるデザイナーはデザインの主体性だけでなく、客観的に本質を理解しています。客観的に得られる情報こそが、ブランドにとって重要だからです。
参考 : Logo Lounge