1月 5, 2017

ロゴはカッコイイかどうかだけで判断してはいけないですね(アパレルショップ経営者)

ロゴはカッコイイかどうかだけで判断してはいけない

私が自分の店を立ち上げる際、こだわった部分の1つとしてロゴがあります。

それは過去の自身の経験から、アパレルショップにおけるロゴが重要な集客能力を持つと知っていたからです。

しかし肝心のデザインが固まるまでは、非常に多くの試行錯誤を重ねました。完成には実に3ヶ月ほど掛かったかと思います。何故それほど長期化してしまったかについてですが、大きな理由としては従業員全員が納得できなかったからということがあります。私個人としては、とにかくカッコ良さを追求したクールなデザインにしたかったのです。ところが一部の従業員からはもっとシンプルさを出してほしいなどの意見も挙がりました。

ここのせめぎ合いはなかなか苦労した記憶があります。

そして最終的には私の一存で、カッコ良さ重視のロゴに半ば強引に決まることとなりました。ただいざ運用を始めてみると、私のこの価値観がいかに実用的でないかを実感したのです。まず気になったのは汎用性の無さでした。ロゴは色々な部分に複製して掲げるものですから、複雑なデザインは汎用的ではないと感じさせられました。私の考案したデザインでは、使い勝手があまりにも悪過ぎたのです。

それにロゴに込められている意味も、お客様を始めとした他の方たちに伝わりづらいなとも思いました。私のデザインは無理にアルファベットなどを気取って変形させていたために、雰囲気程度でしかコンセプトを表すことができませんでした。愚かなことに、私はこの事実を実際に運用するまで気付けなかったのです。

そのときになってようやく、従業員の言っていたシンプルさの意味が理解できたような気がします。どうしてもオリジナリティのある個性的なロゴの方が注目されるのではと見込んでいましたが、何を伝えどこで使うのかを最優先に考えなければ無意味です。洋服の各ブランドのロゴを見てみてもとてもシンプルですし、もっと他のデザインを参考にするべきだったと反省しています。とはいえこの経験があったおかげもあり、今では沢山のお客様にも親しんでいただけるデザインのロゴとなりました。長く大切にしていきたいです。